初めて、会社のじん肺健康診断を手配することになった時のことです。「一般健診の延長だろう」と、私は正直、少し甘く見ていました。 しかし、提出方法を調べると
「毎年12月末日現在の状況を、翌年2月末日までに所轄の労働基準監督署長を経由して都道府県労働局長へ提出する」
という一文が。
「え…?」
社内に残っていた過去の記録は、どう見ても3年に1度しか提出されていません。「どちらが正しいのだろう?」と、頭の中が「?」でいっぱいになりました。
この記事では、そんな過去の私と同じように悩むあなたのために、じん肺健診の報告義務について、私の実体験を元に解説します。
なぜか、社内の「常識」とルールが違っていた
十分な引継ぎがない「ひとり総務」にとって、過去の記録は唯一の頼りです。その記録は「3年に1回」。しかし、法令の手引きには「毎年」。
「もしかしたら、中小企業には何か例外があるのかも?」 そんな淡い期待を抱いて調べましたが、出てくるのは、やはり「毎年報告」の原則ばかりでした。
勇気を出して、労働基準監督署に電話してみた結果
いよいよ追い詰められた私は、思い切って、管轄の労働基準監督署に直接電話で問い合わせることにしました。 緊張しながら状況を説明したところ、担当者の方からの返答は、意外なほど、あっさりとしたものでした。
「ああ、とりあえず、今まで未報告だった分を、今から提出していただければ大丈夫です」
この一言で、私は救われました。
【うっちゃり八兵衛流】健診がない年の報告書、私は「こう」書いている
さて、報告は毎年必要。しかし、健診がない年の報告書には、一体何を書けばいいのか。 報告書の様式を見ても、「今年、健診をしなかった理由」を書くような、欄は存在しないのです。
空欄のまま提出してしまうと、1年後の自分が「あれ、去年は何で空欄だったんだっけ…?」と、また調べ直すことになりかねません。
その「未来の面倒」をなくすため、私が実践しているのが、本来は空欄になるはずの「検診実施機関の名称」欄を活用する、というハックです。私はここに、未来の自分へのメッセージとして、こう書き添えています。
- 記入例:
検診実施機関の名称:( ― 本年度、検査対象者なし)
こうしておくことで、労基署の担当者にも状況が伝わり、何より、未来の自分が悩む時間をゼロにできます。まぁ、普通にPDFに「未実施の際にはここは空白でOK」とかメモ書きするだけでもいいんですけどね。とにかく1年後だとかなり記憶があいまいになっているので、1年後の自分がわかりやすいように記録を残す、ということを最近は意識してます。
まとめ
会社の過去のやり方や、引継ぎを鵜呑みにせず、「あれ?」と思ったら、勇気を出して労働基準監督署に確認する。それが、担当者である自分自身と、会社を守ることになるかと思います。労働基準監督署って何か怖いイメージがありますが、かなり親切に教えてくれる場合が多い気がします(もちろん、担当者によるとは思いますが)。
ただし、担当者のみの判断で勝手に電話するのも、後々問題になる可能性があります。必ず上司に「こういう状況で、ルールが不明確なので、一度、労働基準監督署に確認してもよろしいでしょうか?」と相談してから、行動に移すことをお勧めします。
この記事が、同じように悩む誰かの「最初の電話」の後押しになれば、嬉しいです。


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