隣の席の上司から、口頭で「あれ、やっといて」と、ふと頼まれる仕事。 忘れないように、そして後で「言った言わない」にならないように、記録を残したい。でも、わざわざメールを送るのは、なんだか感じが悪いし、信頼してないみたいで気まずい…。
ちなみに、ここで言う「上司」とは、社長や担当役員のことです。「ひとり総務」は、部署に自分しかいないという意味ですが、もちろん、私たちにも報告・相談すべき上司はいますよね。実務は全て自分一人で回していても、最終的な決裁や責任の所在は、その上司にある。だからこそ、その上司とのコミュニケーションと記録の共有が、何よりも重要になるのです。
この記事では、そんな、中小企業「あるある」の悩みを解決する、スマートな「記録術」を解説します。
あなたの上司はどちらのタイプ?
全ての人が当てはまるわけではありませんが、上司のコミュニケーションの傾向を、大きく2つのタイプに分けて考えてみます。
- タイプA:理屈・ロジック型
プロセスや記録の正当性を重視し、「なぜ、そうするのか」という理屈で納得するタイプ。 - タイプB:感情・感覚型
記録されることを「信頼されてない」と感じたり、「そんな細かいことより、早くやってよ」と感覚で仕事を捉えるタイプ。
【タイプ別】感じの悪くない、スマートな記録術
相手のタイプによって、「感じ悪く」思われない、最適な記録の残し方は変わってきます。
▼対・ロジック型上司:「認識のズレ」を防ぐための、丁寧な確認メール術
ロジック型の上司には、遠回しな言い訳よりも、「仕事の正確性」を期すための前向きな姿勢が響くと思います。口頭で指示を受けた後、自分の理解が正しいかを確認するために、以下のようなメールを送るのはいかがでしょう。
件名: 【ご確認】〇〇の件について
本文: 〇〇部長
お疲れ様です。うっちゃり八兵衛です。
先ほどご指示いただきました〇〇の件につきまして、私の認識に誤りがないか、念のため、要点をまとめさせていただきました。
- (ここに、指示内容の要約を箇条書きで記載)
- (納期や、最終的なゴールなどを記載)
上記内容で、作業を進めさせていただきます。もし、認識に相違がございましたら、ご指摘いただけますと幸いです。 よろしくお願いいたします。
このメールを送ることで、あなたは「指示を正確に理解しようとする、仕事に熱心な部下」という印象を与えつつ、完璧な記録を残すことができます。
▼対・感情型上司:① 個人のメモに、客観的な事実だけを記録する
感情型の上司に、メールのような目に見える記録を送ると、関係がギクシャクする可能性があります。 この場合は、相手に見せない形で、自分を守るための記録を残すのが有効です。 自分の日報や手帳に、「〇月〇日、〇〇部長より、△△の指示あり」と、客観的な事実だけを、淡々と記録しておきましょう。
▼対・感情型上司:② こまめな『口頭での中間報告』で、不安にさせない
感情型の上司が気にしているのは、「ちゃんと進んでいるか」「忘れられていないか」という点です。 ですので、「〇〇の件、今ここまで進んでいます」という、こまめな口頭での報告が、何よりの安心材料となり、結果的に信頼関係を築けます。
まとめ
「ひとり総務」の仕事は、たった一つの正解があるわけではありません。 大切なのは、自分の会社の文化や、上司の性格をよく観察し、その場に合った、最も波風の立たない方法を見つけ出すことなのかもしれません。
また、「言った、言わない」になると、ほぼ上司が勝つような状況だと思います。 なので、「言った、言わない」の状況にすることなく証拠を残すのは、自分のストレスを低減する材料になると、私は思っています。
この記事が、そのためのヒントの一つになれば嬉しいです。

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